手術は全身麻酔で行います。
術後の痛みに関しては、硬膜外麻酔で疼痛管理をします。
硬膜外麻酔は、脊髄の周囲にある硬膜の外腔に細いチューブを挿入して、
そこから痛み止めの薬を、自動的に少しずつ注入する方法。
見た感じは、背中から細い管が出ているような感じで、
手術の部位、痛みを取り除きたい部位によって、チューブを入れる場所が変わります。
病院では、術後の患者さんでよく見るのだけど、
実際に私がされるのは、もちろん初めて。
穿刺するところなどの場面もよく見ているから、なおさら怖い・・・。
手術の前日、私の麻酔を担当する、若い麻酔科医が説明をしに部屋に来た。
私が看護師であることはカルテに書いてあるので、若い先生は、なんだか、恐縮しきり。
「ご存知のことですけど・・・」を繰り返し口にする。
でも、一通り詳細な説明。
省略しないで、よく頑張りましたぁ~。
私の知識としてあやふやなところもあったので、
今回、ちゃんと聞けて良かった。
説明が終わって、その麻酔科の先生が部屋を出るとき一言。
「僕が麻酔を担当しますけど、
上の先生もちゃんとついて指導してくれますので、安心してください!」
・・・え?
なんだか不安になってしまうじゃん!
先生、もっと自信を持って!
2011年、肺腺がんⅠAとの「告知」を受け、手術を受けた、アラフォーナースです。 人生楽ありゃ苦もあるさ。 医療者が患者になった時、何を感じるのか? 周囲の友人・知人(これも医療者)の反応は? 治療の過程で感じたことを、患者としての視点から、時には医療者としての視点から、忘備録的に書いていこうと思います。
2011年11月30日水曜日
いざ、手術!
8時半に手術室に着くようにするため、当日朝は7時前から何かと忙しかった。
肺塞栓予防のための弾性ストッキングを履き、
肩の部分でひもで結ぶタイプのOpe衣に着替える。
この薄緑のOpe衣に着替えると、完璧な病人になる。
点滴も始まっているから、なおさら。
鏡に映った姿を携帯で撮り、車で病院に向かっている夫に送信。
もうじき、着くらしい。
手術をする主治医と担当医の先生が病室に来て、
「じゃ、先に手術室に行って待ってます」
と告げられる。
緊張感が、また少しUpする。
全身麻酔の場合、以前は麻酔前投薬といって、
術前の緊張を弱めたり、麻酔時におこる反射を抑制したりするための薬を
筋肉注射していたのだけれど、
最近は、それ自体の影響も考慮し、前投薬は使われない傾向にあるらしい。
良かったよ、
あの筋肉注射、とっても痛そうなんだもん!
夫が病院に到着。
夫に「Ope」と書かれた左の肩を見せる。
これは、手術する側を間違えないように、前日マーキングされたもの。
前日、携帯で送ったら、
「なんで猿(=Ape)なの?」って返信が来たので、本物を見せておかなきゃ。
これは、どうみても「Ope」でしょ。
そうこうしているうちに、ストレッチャーが部屋に入れられ、
乗ってください、では、出発します・・・。
ストレッチャーの上から見る廊下の天井は、意外と低い。
エレベーターや廊下の段差は、寝ている身にはやはりがたがたと響く。
患者ならではの体験。
夫とは、Ope室の前でお別れ。
院内用のPHSを渡され、これから夫は数時間の待機。
肺塞栓予防のための弾性ストッキングを履き、
肩の部分でひもで結ぶタイプのOpe衣に着替える。
この薄緑のOpe衣に着替えると、完璧な病人になる。
点滴も始まっているから、なおさら。
鏡に映った姿を携帯で撮り、車で病院に向かっている夫に送信。
もうじき、着くらしい。
手術をする主治医と担当医の先生が病室に来て、
「じゃ、先に手術室に行って待ってます」
と告げられる。
緊張感が、また少しUpする。
全身麻酔の場合、以前は麻酔前投薬といって、
術前の緊張を弱めたり、麻酔時におこる反射を抑制したりするための薬を
筋肉注射していたのだけれど、
最近は、それ自体の影響も考慮し、前投薬は使われない傾向にあるらしい。
良かったよ、
あの筋肉注射、とっても痛そうなんだもん!
夫が病院に到着。
夫に「Ope」と書かれた左の肩を見せる。
これは、手術する側を間違えないように、前日マーキングされたもの。
前日、携帯で送ったら、
「なんで猿(=Ape)なの?」って返信が来たので、本物を見せておかなきゃ。
これは、どうみても「Ope」でしょ。
そうこうしているうちに、ストレッチャーが部屋に入れられ、
乗ってください、では、出発します・・・。
ストレッチャーの上から見る廊下の天井は、意外と低い。
エレベーターや廊下の段差は、寝ている身にはやはりがたがたと響く。
患者ならではの体験。
夫とは、Ope室の前でお別れ。
院内用のPHSを渡され、これから夫は数時間の待機。
2011年11月15日火曜日
どんな手術ですか?
手術と入院については、主治医から外来で簡単な説明があった。
入院してから、病棟のカンファレンス室で、詳しい説明を聞いた。
説明を聞いて、手術承諾書にサインする、
いわゆるインフォームド・コンセント。
AirMacの画面に、CT画像で私の胸部の輪切りと病変の形が、
コマ送りで次々と表示され、
それがアニメーションのようで、
私の肺の中のことではなく、何か他人事のように客観視している自分がいた。
私の落ち着きとは裏腹に、隣に座った夫(医療者でない)は、
とてつもない緊張であったようだ。
でも、逆の立場だったら、きっと、
医療者である私も、落ち着いて医師の話を聞いてはいられないかもしれない。
診断名)左肺がん(疑)
早期肺腺がんの可能性が高い
確定診断には、病理組織診断が必要
病期)StageⅠ
手術)左肺上葉部分切除術
手術時間:2.5時間+麻酔時間
開胸創は腋窩に10~15㎝、乳房下に胸腔ドレーン
疼痛には痛み止めを使用する
起こる可能性のある合併症)
・出血
・肺炎、無気肺
・空気漏れ(肺ろう)
・観戦(創感染、膿胸)
・不整脈
・肺塞栓症(エコノミークラス症候群)
・その他、全身麻酔の影響による、脳・心・腎・肝の機能障害
手術翌日から歩行と食事可能
最終病理診断(約2週間後)により、今後の治療方針を決定
(化学療法、放射線療法の必要性の有無の判断)
今まで、看護師として、多くの患者さんのインフォームド・コンセントの場に
立ち会わせていただいたり、カルテで目にしたりしていた情報が、
この目の前に、自分のこととして、ある。
入院してから、病棟のカンファレンス室で、詳しい説明を聞いた。
説明を聞いて、手術承諾書にサインする、
いわゆるインフォームド・コンセント。
AirMacの画面に、CT画像で私の胸部の輪切りと病変の形が、
コマ送りで次々と表示され、
それがアニメーションのようで、
私の肺の中のことではなく、何か他人事のように客観視している自分がいた。
私の落ち着きとは裏腹に、隣に座った夫(医療者でない)は、
とてつもない緊張であったようだ。
でも、逆の立場だったら、きっと、
医療者である私も、落ち着いて医師の話を聞いてはいられないかもしれない。
診断名)左肺がん(疑)
早期肺腺がんの可能性が高い
確定診断には、病理組織診断が必要
病期)StageⅠ
手術)左肺上葉部分切除術
手術時間:2.5時間+麻酔時間
開胸創は腋窩に10~15㎝、乳房下に胸腔ドレーン
疼痛には痛み止めを使用する
起こる可能性のある合併症)
・出血
・肺炎、無気肺
・空気漏れ(肺ろう)
・観戦(創感染、膿胸)
・不整脈
・肺塞栓症(エコノミークラス症候群)
・その他、全身麻酔の影響による、脳・心・腎・肝の機能障害
手術翌日から歩行と食事可能
最終病理診断(約2週間後)により、今後の治療方針を決定
(化学療法、放射線療法の必要性の有無の判断)
今まで、看護師として、多くの患者さんのインフォームド・コンセントの場に
立ち会わせていただいたり、カルテで目にしたりしていた情報が、
この目の前に、自分のこととして、ある。
2011年11月4日金曜日
私、たばこ吸わないのに、なぜ?
肺がんです、と言われて、すぐに出た言葉。
「私、たばこ、吸ったことないんですけど…」
肺がん=たばこ
というイメージがあるのだけど、近年、喫煙経験のない女性の肺がんが増えているのだそうです。
しかも、女性の肺がんのうち、喫煙が原因のものは約20%、残りの80%は喫煙が原因ではないそうです。
そんな、アホな・・・。
さらにダメ押し。
女性の肺がんは、女性ホルモンが要因の1つ。
・・・ってことは、女性であることが、がんの原因・・・(涙)。
http://stoplc.jp/a00kisochishiki.html
STOP!肺がん HP
http://www.haigan.gr.jp/modules/ippan/index.php?content_id=1
日本肺がん学会HP 一般の皆さまへ
がんになったことの原因を、どうしても探してしまうのだけど、
何ともならない「原因」というのも、やり場がない。
予防のしようが無い、ってこと!? 開き直るしかない!
「私、たばこ、吸ったことないんですけど…」
肺がん=たばこ
というイメージがあるのだけど、近年、喫煙経験のない女性の肺がんが増えているのだそうです。
しかも、女性の肺がんのうち、喫煙が原因のものは約20%、残りの80%は喫煙が原因ではないそうです。
そんな、アホな・・・。
さらにダメ押し。
女性の肺がんは、女性ホルモンが要因の1つ。
・・・ってことは、女性であることが、がんの原因・・・(涙)。
http://stoplc.jp/a00kisochishiki.html
STOP!肺がん HP
http://www.haigan.gr.jp/modules/ippan/index.php?content_id=1
日本肺がん学会HP 一般の皆さまへ
がんになったことの原因を、どうしても探してしまうのだけど、
何ともならない「原因」というのも、やり場がない。
予防のしようが無い、ってこと!? 開き直るしかない!
2011年11月1日火曜日
健康診断
きっかけは、職場の健康診断。
4月に新たに就職し、そこでの健康診断で撮影した胸部X線写真。
健康診断の会社(病院?)の医師の読影では、
「異常なし」
しかし、職場の上司である先生(呼吸器内科医)によれば、
「左の上葉に、1㎝くらいの小さい影がある」のだそう。
PCのモニターに映された私の胸部のX-P。
写真を拡大できるソフトが入っているんですね。
でも、
「ほら、ここ」
って言われても、はっきり言って、どれがそうなのか、よくわからなかった。
すごく咳が続いたことがないか、痰がたくさん出ることはないか?
呼吸器系の症状の有無を聞かれても、
風邪で寝込んだことはほとんどないし、
花粉症もないくらいだったので、思い当たる節がない。
肺の影は、気管支炎や肺炎など呼吸器感染症が治った後、
肺の一部が瘢痕化(傷痕として残る)して、影として映ることがあるのだそう。
そういえば、1・2年前、台湾に行ったとき、
帰国してからも咳が続いたことがあったような・・・。
それから、結核。
どこかで感染っていて、症状は出ていなくても、菌を持っている状態の可能性。
芸能人の結核感染のニュースを見ていたので、
これは、可能性があるかも、と思った。
結核だと、他の人に感染してしまう可能性があるので、大変だ!
こんな感じで、ほぼ「感染症」系で話が進んでいった。
「じゃ、今後、咳が続いたり、おかしいな、と思ったら、すぐに受診してね」
「はーい!」
血液検査では、白血球やCRPなどの異常所見もないので、
今現在、症状がないなら、とりあえず様子見でいいか、という話も出つつ、
X-Pのみでは、わからないけど、CTを撮ればもう少し詳しくわかる・・・。
ただ、私も、医療者として、結核を持っていた場合、
症状が出てからでは、あとで周囲の人たちに大変な迷惑がかかり、
大問題になると思ったので、
「結核ではない」ことを診断してもらうための検査なら、
大げさだけど、CTを受けてもいいかな、と思った。
で、検査をして、疑わしきは排除して、無罪放免、すっきりしたいと思った。
先生の部屋を出るとき、机の上には、「肺癌」というタイトルの医学雑誌。
「あ、これは気にしないでね」
って、あせる風でもなくいう先生の口調に、
本当に「がん」のことを気にもしなかった私。
「がん」のことなんて、まったく考えていなかった。
「感染」で、人にうつしたら大変! そう思っていた。
4月に新たに就職し、そこでの健康診断で撮影した胸部X線写真。
健康診断の会社(病院?)の医師の読影では、
「異常なし」
しかし、職場の上司である先生(呼吸器内科医)によれば、
「左の上葉に、1㎝くらいの小さい影がある」のだそう。
PCのモニターに映された私の胸部のX-P。
写真を拡大できるソフトが入っているんですね。
でも、
「ほら、ここ」
って言われても、はっきり言って、どれがそうなのか、よくわからなかった。
すごく咳が続いたことがないか、痰がたくさん出ることはないか?
呼吸器系の症状の有無を聞かれても、
風邪で寝込んだことはほとんどないし、
花粉症もないくらいだったので、思い当たる節がない。
肺の影は、気管支炎や肺炎など呼吸器感染症が治った後、
肺の一部が瘢痕化(傷痕として残る)して、影として映ることがあるのだそう。
そういえば、1・2年前、台湾に行ったとき、
帰国してからも咳が続いたことがあったような・・・。
それから、結核。
どこかで感染っていて、症状は出ていなくても、菌を持っている状態の可能性。
芸能人の結核感染のニュースを見ていたので、
これは、可能性があるかも、と思った。
結核だと、他の人に感染してしまう可能性があるので、大変だ!
こんな感じで、ほぼ「感染症」系で話が進んでいった。
「じゃ、今後、咳が続いたり、おかしいな、と思ったら、すぐに受診してね」
「はーい!」
血液検査では、白血球やCRPなどの異常所見もないので、
今現在、症状がないなら、とりあえず様子見でいいか、という話も出つつ、
X-Pのみでは、わからないけど、CTを撮ればもう少し詳しくわかる・・・。
ただ、私も、医療者として、結核を持っていた場合、
症状が出てからでは、あとで周囲の人たちに大変な迷惑がかかり、
大問題になると思ったので、
「結核ではない」ことを診断してもらうための検査なら、
大げさだけど、CTを受けてもいいかな、と思った。
で、検査をして、疑わしきは排除して、無罪放免、すっきりしたいと思った。
先生の部屋を出るとき、机の上には、「肺癌」というタイトルの医学雑誌。
「あ、これは気にしないでね」
って、あせる風でもなくいう先生の口調に、
本当に「がん」のことを気にもしなかった私。
「がん」のことなんて、まったく考えていなかった。
「感染」で、人にうつしたら大変! そう思っていた。
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